ヴンダーシア資料館/Vundarsia infos

19世紀後期、セキオウ市郊外の宮殿で、ライヒスの娘、デウス・アッタ家の王女として生まれる。長男のアゲーティスに続く第二子であったことから、大切に育てられ、帝王学の一貫として西洋式の啓蒙思想なども学んだ。彼女が10代の頃に勝利団革命が勃発し、セキオウの乱の日にはセキオウ郊外の住居から脱出してクルーフェまで一旦非難したが、一週間ほど経つと安全が確認されてセキオウに戻る。
20歳頃になると、ヨーロッパの複雑で脆い国際関係を危険視するようになり、1910年代には日本に活路を見出していた。1914年まで数回、日本に使節を派遣し、自らも桂太郎と面会したり大正天皇への謁見許可を求めたりした。
その中で現地の銀行員であった関元晶夫と恋に落ち、後に恋愛結婚を果たす。14年に兄アゲーティスの急死を聞きつけると、急いで帰国した。

帰国するとすぐに即位が決まり、名目上はセキオウ王となったが妊娠中であり、政務は行える状態ではなかった。兄を弔うと、7月には嫡子のスイショウを出産、第二次帝国戦争が始まったにも関わらず産後の負担から政務は停滞した。
また、当時は王国政府内での帝国派と反帝国派との対立が著しく、彼女が即位した頃は反帝国派であったアゲーティスの崩御により帝国派が優勢であった。

数ヶ月するとトパズィアは急に力を取り戻し、王としての政務をやっと本格的に始めた。まず政府内の帝国派に対して強硬に当たり、主要人物を逮捕するなどして政界から追放していった。続いて新ヴンダーシア帝国へ武力抵抗を始め、イギリス等の支援もあってやがて勝利、その後は戦後処理と「大再編政策」を主導した。戦後処理に関する責任回避、過激派の残党である国家防衛隊の始末、戦後復興など問題は山積みであったが、ザムツェルトなどの有能な政治家と協力し、それらの問題に比較的スムーズに対処していった。また、秩序の擁護者を名乗り、ヴンダーシア連邦を作り上げるとともに強固や立憲君主体制を完成・維持した。

息子のスイショウが12歳になると、国内の混乱が長引いていることや王宮の内部対立が再発する恐れがあったことから彼を日本に留学させる。始めは4年程度を予定していたが、国内や王室の混乱のために留学は長引き、結局彼が帰国できたのは留学6年目、18歳の頃であった。
1930年には、世界恐慌の危険と、未だに彼女の中に残るヨーロッパ諸国への不信感から、海禁政策を実施した。さらにその後には、信頼を置いていた日本が軍事問題から国際的に孤立し、日本が愛する夫の故郷であることとも重なってトパズィアは心に深い傷を負った。それでも国への責任感から、めげずに政務を続け、海禁政策を続行するとともに軍事面での警戒を強めた。

第二次世界大戦が終わると、トパズィアはこれ以降の世界的貿易に価値を見出して方針を急転換、外国との交流を促進して「大貿易時代」を作り上げた。また、サンフランシスコ講和会議には第二次世界大戦で一切の戦闘をしていないと主張して参加しなかったが、講和会議の直後、日本と首脳会談を行って国交を回復した。
やがて、高く信頼していた宰相ザムツェルトが職務中に倒れると、トパズィアはこれを過労死であると判断し、自身に非があるとした。それに負い目を感じてか急激に老けていき、さらに1966年に夫・関元晶夫が死去すると、長男スイショウへの期待もあったことから、翌年、周りからの助言に基づき生前にしてスイショウに譲位した。
その治世は50年余りと長きに渡ったにも関わらず、その間民衆を満足させ続けた。また、新ヴンダーシア帝国などの20世紀前半の数々の混乱を解決して秩序を築いたこと、第二次世界大戦での被害を防いだことなどから死後は「国母」と讃えられ、現在でもでも高い評価を得ている。

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