クライネットの架空地域「ヴンダーシア」の情報を詰め込む部屋

第二次帝国戦争は、1914年、新ヴンダーシア帝国とその躍進に反抗する周辺諸国との間で起こった戦争である。
デウス・アッタ王国などが帝国によるポルカサ侵略を非難して出兵したことで始まり、1919年に帝国の敗北をもって終結した。
第二次帝国戦争
場所ヴンダーシア、ベリア、ポルカサ等
年月1914年8月〜1919年1月
内容ヴンダーシア内外での全面戦争
結果新ヴンダーシア帝国の滅亡、ヴンダーシア連邦の成立
交戦勢力
デウス・グロース王国
デウス・アッタ王国
ガルセシア
フルール公国
イギリス
フランス共和国
帝国派勢力
新ヴンダーシア帝国
-カラカラ公国
-ドランツァイト独立政府
クロヤ家

開戦前夜

民族主義に基づいた領土拡大を狙っていた新ヴンダーシア帝国はドイツ帝国と7月30日の密約を交わすと、ポルカサを電撃的に侵略した(ポルカサ侵略)。英仏はヨーロッパへの初進出を果たした帝国を警戒し、ヴンダーシア内の反帝国派に内戦の圧力をかけた。
デウス・アッタ王国はいち早くこれに反応を示し、国内勢力による帝国打倒をよびかけたが、女王のトパズィアが産褥の中にありアッタ王国自身では行動を起こせなかった。デウス・グロース王国は、帝国を打ち倒すことで国内の民族主義過激派を抑え込むことができると考えて、8月半ば、新ヴンダーシア帝国に対して宣戦布告した。

進行

前半

デウス・グロース王国は宣戦布告の後、軍を動員して帝国領へ攻め入ったが、国内は疲弊しており攻撃は長続きしなかった。寧ろ帝国の勢いの前に弾き返されてしまい政府は若干ながら帝国に対し萎縮した。
デウス・アッタ王国では数年前から帝国派と保守派の対立が続いており、14年のアゲーティス急死もあって混乱していた。開戦前の政変では帝国派が優勢になったため、反帝国派はグロース王国による攻勢に加勢することを目指したが無理だった。
しかし、産後休養から復帰した反帝国派の女王トパズィアがその状況を打ち破る。彼女は政務を開始すると、まず政府内の帝国派を退けることから始めた。帝国派の政界追放や逮捕を繰り返すと、彼らは中央政府からは退いたがフジミに臨時政府を建てて抵抗した。トパズィアらは彼らの動きに警戒しつつ、帝国への打撃を試みた。
一方で、新ヴンダーシア帝国は国内での敵に対処しつつ、ベリアではフランス軍と、ポルカサでは現地の残存兵と戦っていた。15年後半にはポルカサ全土を完全制圧し、フランスのブルターニュ半島にも上陸した。帝国側の占領地域は徐々に広がったが、同時に戦線の拡大により負担が増し、15年の国家防衛隊の創設などでこれに対処した。

後半

16年にはデウス・グロース王国ロイヒティル退位を求めたクーデターが起こり、それを好機とみた帝国は王国の領土へ攻め入りサール?全域を占領する。キセキ市が攻められる前にストーリスが政権を奪って王位に就いたため、キセキは防衛することができた。
一方トパズィアらはアッタ王国内の帝国派臨時政府を倒して国内を再統一することに成功し、続いて帝国はブリテン島への上陸が直前で食い止められて攻防が逆転する。これ以降、帝国側は防衛戦に徹するが泥沼となり、徐々に勢力が後退していく。
その後、中立姿勢だったガルセシアフルール公国で帝国打倒の機運が高まり、反帝国側で参戦した。さらにデウス・アッタ王国は同盟を組んだイギリスからの軍事援助を受けて攻勢を強めた。
18年11月に帝国の同盟国であるドイツ帝国が崩壊すると帝国側の求心力が著しく低下し、デウス・アッタ王国による最後の大攻勢が始まった。翌月には帝国内では敗戦の責任をクロイツェスに求めてクーデタが発生し、クロイツェスは自殺、年末には敵軍が首都に入城を果たし、ついに新ヴンダーシア帝国は降伏した。

戦後処理

19年1月にはデウス・アッタ王国新ヴンダーシア帝国との間で停戦条約が結ばれ、新帝国の解体が宣言された。旧帝国領はトパズィア大再編政策でヴンダーシア内の戦勝国側に併合され、帝国派だった君主・貴族らは位を剥奪された。

パリ講和

新ヴンダーシア帝国ベリアに加えポルカサも併合して英仏の敵となったため、第一次世界大戦の講和であるパリ講和会議での"敗戦国"に名を連ねることとなった。
パリ講和会議で英仏により一方的に決定された対ヴンダーシア条約には生き残ったヴンダーシア国家への賠償要求が含まれており、トパズィアらはこれに強く反発した。デウス・アッタ王国はパリに公使を派遣して賠償の撤回を強く求め、賠償がほとんど削除された「マルメゾン条約」を締結することに成功した。
新帝国の海外領(ベリア、ポルカサ、フランスのブルターニュ地方)は回収され、ポルカサには共和国政府が復活し、ベリアはフランス保護領のマグリビヤとなった。
ヴンダーシアの国家はアッタ女王トパズィアの影響下で5つの君主国を含む7カ国に集約された後、クロヤ騎士団の国家的独立が承認されてヴンダーシア連邦が結成された。

影響

新ヴンダーシア帝国は敗北し滅亡したが、その活動は国内外に多大なる影響を残した。
新ヴンダーシア帝国はドイツとの同盟を通して欧米の科学技術を活発に輸入し、それをヴンダーシア特有の魔法技術と結びつけた。クロイツェス魔砲を戦艦と組み合わせて実用化し、さらにドローンのような小型無人機を開発し、無人機の世界初の実戦投入が行われた。これは新帝国が滅びた後もヴンダーシアの産業に大きな影響を与える。
ヴンダーシア内に関しては、帝国派勢力は封建的貴族制度の完全打倒という役割を果たした。ヴンダーシア東部で複雑化していた貴族封土は全て新帝国により一掃され、保守的なデウス・グロース王国では今回の戦争を通してクーデタが起き、貴族制度の最後の砦となっていたロイヒティルは政界から退いた。戦後に成立したヴンダーシア連邦では"公"以下の貴族は全て貴族としての権限を剥奪され、君主が残る国でも一人の君主による集権的かつ近代的な政治体制が作られた。
また、新ヴンダーシア帝国は古代以来初めてヨーロッパを侵略したヴンダーシア国家であり、欧米からみると後進地域だと思っていたヴンダーシアが突然ヨーロッパを脅かす事態となり衝撃的なことであった。前述の技術発展もあり、ヴンダーシアは一等国として認められるようになっていく。
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