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ベーレン語(べーれんご、倍:Beren、英:Berenish)は、インド・ヨーロッパ語族、ヴンダーシア語派に属し、ヴンダーシアで最も広く話されている言語である。また地域に関わらず、魔族によって広く使用されている。
漢字圏では"倍蘭"(略称は倍)と転写される他、話者の多くが魔族であることから"魔語"とも呼ばれる。
ベーレン語
Beren
発音IPA:[bˈɛːʀən]
公用語ヴンダーシア共和国連邦
話される地域ヴンダーシア地方ポルカサ
ベリアの一部
言語系統インド・ヨーロッパ語族
ヴンダーシア語派
 ・キセキ語群
  ・ベーレン語
表記体系ベーレン文字(ヒフテン及びヴィアテン)

概要

デウス家が統一王朝を築いて以来ずっとヴンダーシアの公用語とされており、現在、ステリー島の大部分やシンコウ島の南部を中心に話されている。また、ベリアや西サハラ、ポルカサなどの移民魔族も使用している他、近年は北アフリカでのヴンダーシアの経済的影響力の拡大に伴ってそれらの地域でビジネス言語としても用いられるようになっている。

言語名について

"Beren"という名称は民族・種族としての魔族のことも表し、ベーレン語で技術や魔法を表す言葉である"Ber"に地名や言語名の接尾辞である"-en"を付けたものである。「魔法(あるいは技術)を持った民族」という意味があるとされ、中世においてステリー島内陸部の魔族が自分たちを指して使いはじめたといわれる。
日本語ではベーレン語、英語ではBerenish、中国語では倍蘭語(あるいは倍語)と呼ばれる。

文字

文字は「ベーレン文字」を使用するのが標準とされており、実際にヴンダーシア内でのやりとりはほとんどがベーレン文字で行われる。もう一つの表記法としてラテン文字転写が確立されており、ベーレン文字が使えない、あるいは使いにくい海外規格のサービスで使用される。
ヴィアテンとヒフテン
ベーレン文字には「ヴィアテン(音素文字)」と「ヒフテン(表語文字)」という二種類の文字が存在する。
ヴィアテンはアルファベットと同じように一文字で一つの音素を表すが、ヒフテンは一文字で一つの音節を表し、かつ一つ一つが意味を持つ表語文字である。ただし、ヒフテンの多くは、音節を成す母音が一定の法則で変化する"母音変化"という現象があるために必ずしも一種類の音節ではない。

音韻

母音

文字ラテン文字音素発音
A,a/a/[a]
E,e/e/強勢で[ɛ],無強勢緊張音で[e],弛緩音で[ə]
I,i/i/[i]
O,o/o/[o]
Ö,ö/ø/強勢で[œ],無強勢で[ø]
U,u/u/強勢で[u],無強勢で[ɯ]
Ü,ü/y/[y]
Ai,ai/ai/[aɪ]
aiは音韻論的には二重母音であるが、単独の文字を持ち、他の単母音と同様に扱われる。
前舌中舌後舌
非円唇円唇非円唇円唇非円唇円唇
[i][y][ɯ][u]
広め狭[ɪ]
半狭[e][ø][o]
中央[ə]
半広[ɛ][œ][ʌ]
[a]

子音

文字ラテン文字音素発音
B,b/b/[b]
C,c/ts/[t͡s]
D,d/d/[d]
F,f/f/[f]
G,g/g/[g]
H,h/h/[h]
Hh,hh/hh/[ç]
J,j/j/[j]
K,k/k/[k]
Kh,kh/kj/[c],[k]
L,l/l/[l]
M,m/m/[m]
N,n/n/[n],[ŋ]
R,r/r/[ʀ],[ʁ],[r]
S,s/s/[s]
T,t/t/[t]
V,v/v/[v]
Z,z/z/[z]
両唇音唇歯音歯茎音後部歯茎音硬口蓋音軟口蓋音口蓋垂音声門音
鼻音[m][n][ŋ]
破裂音[p][b][t][d][c][k][g]
破擦音[t͡s][d͡z]
摩擦音[f][v][s][z]([ʃ][ʒ])[ç][ʁ][h]
接近音[j]
ふるえ音[r][ʀ]
側面接近音[l]

文法

基本的な語順はSOV語順だが、ある程度の並べ替え・倒置表現は日常的に行われており、詩歌ではより自由度が高い。
かなりの語彙が膠着語で、インド・ヨーロッパ語族に属していながら古くから屈折語はあまり見られない。
格は多くのゲルマン語派の言語と同じく主格・属格・与格・対格の4つである。格は冠詞と形容詞の付加修飾の活用で表す他、それらが付かない名詞の場合は名詞語尾で表す。
主格属格与格対格
語尾--'es-'el-'et

方言

ヴンダーシアにはベーレン語の多くの方言が存在する。それは種族によって体の構造が違い、地域によって気候なども異なるためだと言われている。
ここでは代表的な方言を挙げる。
セキオウ方言
シンコウ島南部で話される方言で、いわゆる標準語。音の省略が多くみられ、母音の後のrは完全に曖昧母音化する。また、母音直後のeは発音されない。
ガルセシア方言
ガルセシア地方特有の方言。標準語との違いが著しいことで有名で、アクセントが長母音になりにくい、母音に挟まれた摩擦音が有声化する、などの特徴がある。語彙そのものの違いも多い。
例えば、地方名の"Garsesia"(標準語で[ˈɡaːsɛsiɛ])は現地の発音だと[ɡɐʁzɛzyɐ]となる。
キセキ方言
キセキ地方ディート地方オリツォエン地方で主に話される方言で、かつての標準語。
標準語にある母音の省略はieでしか発生しない。
東部方言
ステリー島東岸で話されている方言。ラテン語派からの影響が他の方言より顕著だと言われる。
/f/を[p]などの両唇音で発音する傾向があり、また他の方言よりもアクセントが曖昧である。
南部方言
カラカラ地方を中心とした南ヴンダーシア地域で話される方言。アクセントを極端に強く長く発音し、母音は全て書かれたままに発音する。また、rは口蓋垂音ではなく巻き舌の[r](歯茎ふるえ音)で発音し、母音の直後のrが母音化しない。

発祥

発祥地はデウス家のそれと同じオリツォエン地方で、元となった言語はデウス家などオリツォエン・キセキの領主層が使っていた「古キセキ上流語」。それが広域の民衆に広まって「中世ベーレン語」となり、長い時を経て現代のベーレン語ができた。
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